2024年度 一般社団法人
沼田青年会議所 Junior Chamber International NUMATA

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2014

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2014年度 理事長所信

2014年度 一般社団法人 沼田青年会議所 理事長所信

2014年度理事長

横山卓司

「こころの豊さを求めて」

私たち青年会議所は「明るい豊かな社会」を実現するために日々運動を展開しています。「明るい豊かな社会」と言っても、戦後の設立当初に「新日本の再建は我々青年の仕事である」と設立趣意書に謳い戦後の荒廃の中から経済再建の使命に燃えて運動を展開し、驚くべき経済発展を遂げた時代からこころの豊かさを求める時代へと変化しつつあります。

最近起こった事件や事故を見る中で、「自分さえよければそれでいい」「今さえ楽しければそれでいい」といった刹那主義的考え方が日本に蔓延している印象を受けます。身近な利根沼田においても例外ではありません。私の会社でも毎年新入社員が入ってきますが「自分さえよければそれでいい」という感覚なのか数日で辞めていくことが多くみられます。物質的豊かさ故に仕事を辞めても家に帰れば食べる物や住む場所には困らないという時代背景が原因なのかも知れません。だからこそ時代の求める「明るい豊かな社会」は物質的豊かさからこころの豊かさを求める時代になったのではないでしょうか? 「こころの豊かさ」とは日頃の生活に対して幸せを感じる力や思いやり、おもてなしなど相手ことを考え行動することや私たちの記憶に新しい東日本大震災の際に世界を驚嘆させた公共性に満ち溢れた助け合いの精神、そして元来日本人が持ち合わせているはずの道徳心など個々の人間性を高めることで豊かさは増していくと私は考えます。そして、「こころの豊かさ」は利他の精神と置き換えることも出来ます。人は一人では生きられない。自分だけの利益、幸せを追求する世の中から相手の幸せを念じて相手を幸せに導く利他の精神へと時代は変化しつつあるのです。

私たちの運動も自分たちだけがよければそれでいいという運動ではありません。地域の人々に理解され協力してもらい成り立つことができるのです。その為には、行政とのつながりや子どもたちとのつながり、地域とのつながりを意識した運動を続けることが「こころの豊かな社会」につながるのではないでしょうか。

人は環境が育てるとよくいいます。育った環境により善にも悪にもなりえると言うことです。現在の子どもを取り巻く環境はどうでしょうか?世の中は便利になり、多くの知識や情報を誰の手を借りることなく容易に取得できる社会になりました。私たちが子どもころはどうだったでしょうか?新しい知識や情報を教えてくれるのは親または学校の先生やおじいちゃん、おばあちゃんさらには近所の人たち、良いことをすれば褒められ悪いことをすれば怒られ、私たちは「つながり」や「ふれあい」の中から物の見方や善悪を学んで参りました。核家族化や近隣住民同士のつながりが希薄になってきた昨今、子どもたちに「こころの豊かさ」を感じ高めてもらうには多くの「つながり」を再度見直し構築した中で人間性を高めていかなければなりません。

私たちが、そして利根沼田の人々が人間性を高め「こころの豊かさ」を感じることが出来るようになった時、愛すべき利根沼田は笑顔で満ち溢れた故郷、自慢のまち「明るい豊かな社会」になることが出来ると私は確信致します。

 

「時代にあった青年会議所の確立」

沼田青年会議所も今年で創立42年の歳月が経とうとしています。メンバー数も100名を超えていた時代から現在は50名弱となっております。日本青年会議所でも70,000名を超えていた時代から30,000名を割るかもしれない時代となりました。少子高齢化やデフレ等の時代背景も一因となっていますが原因をそれだけに求めることは出来ません。メンバーの置かれている環境も変わりました。多くのメンバーは経営者であり、従業員でもあります。その中で、青年会議所運動に対して多くの時間を割くことは容易ではありません。特に役職を受ける際などは多くのメンバーが躊躇してしまうのが現実です。しかし、「明るい豊かな社会」を目指して先輩諸兄から脈々と受け継いできた熱い情熱を持った運動に対する魂は現在の私たち沼田青年会議所メンバーにも受け継がれております。そして、熱い情熱を持った運動に対する魂があるからこそ運動の灯は消える事なく今に至ります。私も入会してから11年目を迎えます。お陰様で貴重な多くの経験をさせていただきました。LOMでの数多くの役職やブロック協議会、日本青年会議所での役職の中で「つながり」の重要性を改めて学びました。一人では出来ないこともメンバーの力を合わせること、地域の人々と力を合わせることにより実現することが数多くありました。人は一人では生きられません。青年会議所の運動も一人で行なっているのではありません。縦の「つながり」、横の「つながり」言うなればすべてとの「つながり」を常に意識し運動を行っていくべきであると考えます。我々の運動は先輩諸兄、地域の人々や多くのメンバーに支えられて運動は成り立っているのです。受け継いできた魂を10年、20年後の沼田青年会議所メンバーにも受け継いでもらうために、これからのメンバーが運動に情熱を燃やし、光輝く青年会議所メンバーとなれるような環境作り・チーム作りをしたいと思います。どこかで誰かのために役立っていると信じて、利根沼田や日本のために未来を描き、「明るい豊かな社会」の実現をこれからも目指していきます。

 

会員の拡大

現在、一般社団法人沼田青年会議所のメンバーは55名となりました。ピーク時は100名を超えるメンバーが、利根沼田の明るい豊かな社会の実現に対して真摯に向き合い運動を展開して参りました。公益社団法人日本青年会議所もピーク時の半分となっており日本における青年会議所メンバーの推移は利根沼田と類似しています。少子高齢化など青年世代の減少がその一因となっていると考えられます。しかし、その言葉で終わらせる事はできません。私たちの運動は一人で行っている訳ではありません。メンバー一人ひとりの力を合わせて運動を展開しております。笑顔で満ち溢れた故郷、自慢のまちになるためにも青年の力を結集し運動を展開していくことが必要と考えます。その為にも、会員拡大を青年会議所の運動と捉えメンバー全員で自覚と気概をもち行って参ります。

 

研修事業

この愛すべき利根沼田が笑顔で満ち溢れた故郷、自慢できるまちになるためには青年会議所メンバーが原動力となり、地域の方々に理解や共感を得た運動を展開し、希望を示していかなければなりません。われわれ青年はまだまだ完成された状態ではありません。その為にも、会員一人ひとりが個々を磨いて人間性を高め魅力ある運動を展開していく必要があります。仏教の世界では、暗闇を照らす光を「知識」と位置付けています。知識を学ぶことにより沼田青年会議所に、そして地域に希望を示す光を照らすことができます。地域に対して、率先して先導できるように会員の個を磨く取り組みを行って参ります。

 

青少年事業

近年、青少年を取り巻く環境は劇的に変化して参りました。社会は便利になった反面、情報は錯そうし本来得るべき情報だけではなく、得るべきではない情報まで容易に知ることができます。私たち青年会議所としてできる事は何か?もちろん得るべきではない情報を止めることも大事です。しかし、情報を止めることに集中するのではなく、その情報を得た時にどのように捉え、善悪の判断ができる力や日々の生活の中で感謝できる力を持つことがこれからの社会では重要であると考えます。そこで本年は青少年育成事業として「体験」をテーマに自らが感じ、学ぶこと、さらには「徳育」を通して道徳心のある、情操豊かな人間性を学んでもらいたいと思います。

 

まちづくり事業

青年会議所運動が立ちあがってから日本では60年余り経ちました。戦後の焼け野原のような状態の時に比べ、先輩諸兄の努力により社会は経済的に大きな発展を遂げて参りました。近年のまちづくり運動に視点をあてると経済的発展を求めていた運動から「ふれあい」や「つながり」というように人と人とのこころをつなげる運動へ移ってきているように思います。まちづくりはひとづくりという言葉があるように「人間性豊かな社会を創る」ことがまちづくりではないでしょうか?この利根沼田に住まう人々が、人情味に溢れ、人間性豊かであればお年寄りから子ども達が住みやすいまちとなり、他の地域からみて利根沼田が笑顔で満ち溢れた故郷、自慢のまちへとなるように運動を行って参ります。