2024年度 一般社団法人
沼田青年会議所 Junior Chamber International NUMATA

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2009年度事業報告 (社)沼田青年会議所

2009年度(社)沼田青年会議所 事業報告

理事長 宮川陽治

100年に一度といわれる世界的な金融危機から2年。米国では初の黒人大統領が誕生し、日本では自民党から民主党へと政権交代がなされ、世界は希望にあふれ、新たな時代を迎えつつあるかのようでした。しかし、1年を振り返ってみるといまだ混迷の域を脱していない状況が続いています。ユーロ圏の国家破たん懸念が台頭し、自国貿易の競争力を強める通貨安競争や金融緩和によって、資源の高騰や新興国バブルなどの投機的資金が世界を不安定なものにしています。日本においては、デフレの更なる進行や史上最高値に近づく円高による不況が続き、領土問題や資源問題などの国際関係も不安定な状況にあります。そして、この利根沼田はさらなる地域住民の超高齢化や少子化、商圏の中心であった街なか市街地のスーパーの撤退など多くの問題に包まれています。そのような大変な時代だからこそ、私たち、(社)沼田青年会議所のメンバーは地域の方々と力を合わせてこのまちの未来を創造していかなければいけないという想いで「原点回帰 かわるJAYCEE!かえる利根沼田!」をロムスローガンとし、以下の基本方針に則り運動させていただきました。

 

〈基本方針〉

・原点回帰

・シンプルでスピーディーな組織運営

・会員の拡大及び出席率の向上

・夢をもった演劇公演の開催

・気づきから始まるまちづくり

 

この激動する社会において組織を運営するには、組織全体をなるべくシンプルにし、意思決定をスピーディーにしなければなりません。その為、わかりやすい委員会名と室長を置かない組織としました。そして3人の副理事長には、私と想いを共にし、直接的に委員長に反映させ、また委員会の現状や意見を調整する大役をして頂きました。総務委員会には、理事会決定事項や例会告知、事業報告などをホームページの更新やメーリングリストの活用をして情報公開し、私自身もブログを利用した公職内容の紹介など行いましたが、これらのデジタルツールを使うことによって情報発信が一方通行になりやすく、人づくりとして一番大切な目と目を見ながら話すことや表情で相手の現状を理解するといった大事なコミュニケーションをとる機会が少なくなっていたのではないかと思います。その点においては、メンバーともっと話をしたり、地域の人々ともっと我々の運動について語り合う機会を作れればよかったのではないかと反省しております。

 

メンバーの拡大は、最重要課題でありLOM全体の使命として1年間拡大活動をさせていただきました。そして会員拡大委員会には、会員の拡大だけではなく、研修事業と共に地域の将来像としての「おもてなし」をキーワードとした公開例会を行っていただきました。公開例会には、多数の方々に参加して頂き、私たちの考える「明るい豊かなまちづくり」を具現化するための「きっかけ」となったのではないかと思います。ただし、講演等で知識は学べてもそれを自分のものとして活用する知恵は学べません。メンバーは率先して学んだ知識を知恵として活用し、地域の方々に広めていただきたいと思います。それこそが青年会議所運動の原点であるからです。

 

今の子ども達にとって利根沼田の思い出はなんだろうか。大切な自然があり、きれいな水への想いを持ってほしい。そんな想いから4回目を迎える演劇公演ではこの利根沼田の特色を生かした演目に変更して頂きました。また、地域文化として根付かせるためのステップとして今後を担う組織づくりを目指しました。しかし、10月に行われた育樹祭により予定よりも2か月早い公演と大幅な日程変更になってしまいました。新しい演目、短い練習期間と委員会メンバーや子ども達、ボランティアスタッフの方々には多くの負担を掛けることとなりましたが、多くの来場者に囲まれて無事公演できたことは大変ありがたく思っております。しかし、今後を担う組織づくりまでは手が回らず、結果として次代に委ねる事と成ってしまったことは、全体の動きを見極める私の責任として申し訳ありませんでした。青年会議所運動において事業は行う事が目的ではなく、その先を見つめながら日々活動していく事が重要です。演劇公演においては、我々が単独で行うよりも地域に移管し、各地域に広げていく事によってこそ、地域文化として根付いていきます。今後は公演行う事を目的とするのではなく、その過程における人材づくりを目的に事業を行なって頂ければと思います。

 

青年会議所はただのボランティア団体ではなく、人づくりの団体です。まちづくり委員会には、その基本をベースに行政と地域を結ぶボランティア団体の主要人物をつくり、まちを変えていく事業の開催をしていただきました。6月に行われた「防災・防犯フェア」では、行政とボランティア団体、企業とが一緒になって行う事の楽しさを開催目的とし、施設準備や行政団体・行政機関との調整を沼田市が担当し、ボランティア団体・企業との連携をJCが担当する形で、沼田市との共同開催という協働を実現する事ができました。多くの改善点はありますが、参加して頂いた各団体の方々からは、次回開催への夢を語って頂く事ができ、気づき以上のものが得られたのではないかと思います。青年会議所は、5年後、10年後から現在を直視し、未来の視点から現在しなければいけないことを考え行動していく事が重要であり、それこそが「先駆けの団体」である青年会議所の運動です。続けることが青年会議所の運動ではなく、将来に向かって目的を持って行動し、地域にひとづくりを進め、早期に移管できる人材・組織をつくりこそが本質です。今後は積極的に次のステップに進むことを目指して、この利根沼田で芽生え始めた「協働」を行っていく事こそ、これからの(社)沼田青年会議所の立ち位置であり、今後の青年会議所運動の要になるものではないかと思います。

 

最後に、微力であった私をサポートして頂いた、直前理事長、副理事長、そして本年度を良き方向へと導いて頂いた監事、常に私と共にし右腕となって活躍して頂いた専務理事、総務委員長には大変感謝しております。また、私の想いを形にして頂いた各委員長とそれに向かって邁進して頂いた会員諸兄、蔭ながらご協力を頂いた会員の家族の方々や私を支えて頂いた先輩諸兄、並びに関係各位の皆様に深く感謝申し上げます。本当に1年間ありがとうございました。