2018年度 一般社団法人

沼田青年会議所

Junior Chamber International

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2013

2012年度理事長所信

2012年度 理事長所信

社団法人 沼田青年会議所

理事長 真下竜介

「新日本の再建は我々青年の仕事である」

1949年3月、日本における青年会議所運動の先駆けとして設立された東京青年商工会議所の設立趣意書の冒頭の文章です。終戦から僅か4年後の戦後復興の中で産声を上げた青年会議所運動は瞬く間に全国各地に広がりました。その中で1972年10月、日本で509番目の青年会議所として沼田青年会議所は産声をあげました。

時は過ぎ、2011年3月、東北地方を中心とした東日本をマグニチュード9.0の大地震が襲いました。死者・行方不明者は約2万人にのぼり、戦後最悪の被害をもたらせた大災害となりました。この国難からの復興元年を迎えるにあたり、改めて新日本の再建は他でもない我々青年の仕事だと考えます。

JC宣言

日本の青年会議所は混沌という未知の可能性を切り拓き、個人の自立性と社会の公共性が

生き生きと協和する確かな時代を築くために率先して行動することを宣言する

経済のグローバル化や規制緩和に伴って、成果主義や格差社会が進行した結果、個人の権利やプライバシーを守る傾向が強くなってきました。人は人、学力や所得、経済水準、すべてがその人次第、自己責任とみなす風潮は一見、「個人の自立性」を促すように見えますが、その反面、自分以外の誰かのために地域や社会において自分の役割を見出しそこに関わろうとする態度、つまり「社会の公共性」を意識する気持ちは弱くなっているように感じます。

しかし、日本に暮らす私たちは、社会の公共性を元来兼ね備えていると考えます。とくに昨年の震災でその思いを強くしました。未曾有の大災害の中、避難されている方々が食料の配給に整然と一列に並ぶ姿は世界中で驚かれました。皆が同じく困っているからこそ誰一人不平を漏らさず、飢えと寒さにじっと耐える。それは、自分以外の誰かのための実践、いわば公共性の根幹をなす行為だと思います。

「自立性」と「公共性」を考える上で大切なことは何か?社会の中で対極にあるこれらふたつのことを考える上で、私は「自律」と「公徳心」が極めて重要なキーワードと考えます。哲学者 エマニュエル・カントは著作の中で、「啓蒙とは人間が自ら招いた未成年状態から抜け出すことである。未成年状態とは他人の指導なしには自分の悟性を用いる能力がないことである」と説いています。悟性は理性と感性によって成り立ちます。価値判断の基準となる理性や感性を磨くこと、即ち啓蒙のプロセスが未成年から成年となる条件というわけです。与えられる情報や、誰かの考えに安易に同調するのではなく、自ら周りを洞察し、自ら感じ、自ら考え、自ら判断し、自ら責任を持って行動することが「自律」であり、そのために確かな理性と豊かな感性を磨くことが、なかなか先を見通すことが難しい今の時代に最も求められていることだと考えます。

右肩上がりの経済成長を続けていた時代においては、まじめに働くことは経済成長を意味し、経済成長による暮らしの豊かさ向上が、良いこと、正しいこと、とされてきました。しかし、今の日本において、そのような画一的な価値判断はもはや成り立ちません。まじめに働くだけでは決して経済成長が約束されない世の中で、経済指標以外にも暮らしの豊かさを左右するモノサシがあることが徐々に明らかになってきました。こうした状況の中で、個人の理性や感性はますます重要度を増しています。確かな理性と、豊かな感性を持つ「自律」した人々が、自ら所属する社会の中で守るべき道徳を大切にする「公徳心」を持つことによって、「個人の自立性と社会の公共性が生き生きと協和する確かな時代」を築くことが出来ると信じます。

知足者富、強行者有志

「足るを知る者は富み、強(つと)めて行う者は志有り」という意味で、老子の漢詩の一部です。無い物ねだりの大量生産・大量消費の時代は既に終わりました。今は足りていること、今在るものの価値に気づく時代です。「まだ不足」と感じるか「もう充分」と感じるかは、その人の理性、感性によります。先輩諸氏が築いて来られたもの、今までの事業で培ってきたもの、また地域の資源や財産の価値に気付き、充分に在ることに感謝すると共に、新たな発想をもとに5年後、10年後の未来に向けて志を持って進んで参ります。

当たり前のことが当たり前に出来る組織に

「当たり前に出来る」とは理に適った方法で行う、ということだと私は考えます。理とは「ことわり」であり、道理や原理に通じます。まず私たち一人ひとりが、当たり前のことを当たり前に出来る人でしょうか。仮にそうだとしても、当たり前に出来る人の集まりが、当たり前に出来る集団とは限りません。誰が見ても納得できる方法で、道理や原理・原則に則り組織を運営することがその団体の公平性を築き、信頼される団体の条件となります。「当たり前のことが当たり前に出来る」組織体制を整え、信頼に応える団体として歩みを進めて参ります。

「北に谷川岳、南に赤城の霊峰を仰ぎ大利根の流れに育まれた群馬県沼田市は、我々のこよなく愛する郷土であります。土にはぐくまれ、水の恵みを受けて私たちは成長し、やがて私たちの子孫もこの沼田とともに延びてゆくことでしょう。」

昭和47年7月、(社)沼田青年会議所 初代理事長の大淵光男先輩が設立に際し起草した設立趣意書の書き出しです。時の流れと共に生活圏が大きく変化し、(社)沼田青年会議所は沼田市だけでなく利根沼田全域を対象として「明るい豊かな社会」の実現に向けて邁進して参りました。40年という歳月の中で社会環境は大きく変わりましたが、谷川岳から流れる大利根の水は変わることなく流れ続け、土と水に恵まれたこの地で育った私たちは変わらぬ創始の思いを受け継いで参りました。創立40年目を迎える本年も今までの運動を受け継ぎ、「選ばれるまち利根沼田」を掲げる沼田JC第6期長期計画の最終年度として、利根沼田がより輝けるような事業を展開して参ります。

まず、会員である私たち一人ひとりの資質の向上が重要と考えます。単なる集団としての「グループ」ではなく、目的意識を持って互いに資質を磨き合える強い「チーム」になる為の研修を行い、地域住民の方々へも地域としてのチームワークの重要さを提言して参ります。また、NPO法人の発足やボランティア団体の台頭が目ざましい昨今においては、地域の横の連携が特に重要と位置づけ、一昨年より続けてきた「協働のまちづくり」を今年はさらに推し進めます。さらに、地域の大人たちが子供たちの成長を演劇の稽古という側面を通して促す「劇団・夢への架け橋」の運営を通じて、各家庭の問題に収束されがちな青少年育成の問題を少しでも地域で分かち合い、お互いに見守れるようなまちの素地を作ります。このような事業を「沼田JC文化アカデミー」という枠組みを通じて、より広く、深く、地域に発信して参ります。

沼田JC文化アカデミーの定着に向けて

私たちは昨年、市民大学の手法を用いた沼田JC文化アカデミーを立ち上げました。これは地域の資源である「人」、「自然」、「文化」をテーマにした公開講座で、身近な内容を扱うことで参加者がより主体的に関わることが出来る特徴を持っています。このような手法は、地域の魅力を改めて感じ、考え、参加者がぞれぞれの理解を深めることで、自らの地域をさらに愛することが出来る、いわばまちづくりの効果的な方法です。その運営と普及を推し進めることは地域のさきがけの団体として(社)沼田青年会議所の負うべき役割と考え、2年目となる本年は更なる定着を進めます。そのため、より多くの方々に足を運んで頂けるような公開講座を準備し認知度の向上に努め、より裾野の広い運動と致します。

会員の拡大

少子高齢化の傾向は確実に私たちの生活の身近なところで顕著になっています。地域のこれからを担う青年層の人口が先細りしてゆく時代だからこそ、利根沼田の若き力を結集し、一人でも多くの仲間と共に考え、行動してゆくことが今後の利根沼田の発展に重要です。その為には私たち一人ひとりの資質が問われます。理性と感性を磨くことで自律した人間に近づき、職場やその他の様々な機会で一人ひとりのメンバーが己の魅力を伝えることが会員拡大の一番の近道と考えます。自律した私たち一人ひとりが自ら魅力をひき出し、多くの人々に伝えます。

青少年育成事業

私たちは演劇を通じた青少年育成事業を過去5年に渡って行ってまいりました。演劇は自らの肉声や動作をもとに観衆の前で再現不能な一発勝負の物語を披露する総合芸術です。これは、高度に進化する情報化社会において忘れられがちな想像力を実体験を通じて養う最善の方法のひとつと考えています。6年目を迎える本年は、過去の実績を基にこの地域に根付かせてゆく為の最善のあり方を考え、実践します。

協働のまちづくり

まちづくり事業を行う中で、「協働」というキーワードに出会って3年目を迎えます。今まで培った諸団体、人の絆を生かした協働まちづくり事業をさらに進めてまいります。「まちづくりはひとづくりから」と言われます。私たちは既に過去の事業において積極的にまちづくりに関わる団体や市民の方々とのネットワークを作ってきました。今年度はこうした方々と共に、利根沼田の現状と今後の進むべき道を探り、地域の資源・財産がより輝くような運動を進めます。

創立40周年を迎えるにあたり

本年、私たち(社)沼田青年会議所は創立40周年を迎えます。これは関係各位のご協力はもとより、設立より「明るい豊かな社会の実現」に向けて直向きに運動を展開してこられた先輩諸氏のご尽力の賜物であります。今、私たちがJC運動を出来る喜びを感じると共に感謝の気持ちを形としてお伝えする為に、今までの足跡をしっかりと見つめ直す必要があります。私たち(社)沼田青年会議所がどのように立ち上がり、如何なる運動を展開して今に至るのか、そのルーツをしっかりと踏まえた上で今後の進むべき道を見定めることが、今を引き継ぐ私たち一人ひとりの大切な使命と考えています。設立からの「変わらぬ想い」を礎として、さらなる飛躍を遂げるために、「変わらないために変わる」ことを、創立40周年を迎える心構えとし、関係する各事業に取り組んで参ります。

私は常々青年会議所運動とは仲間と共に「畑を耕す」作業のように感じています。土を耕し、種を蒔き、苗を大事に育てながら季節を過ごし、秋には収穫の時期を迎えます。収穫物は村の人々の糧となりますが、私たちにとって最も大切なことは土を耕し続けることです。毎年、汗と、思いと、記憶を吸い込んだ畑の土は若い世代へと受け継がれ、より多くの収穫をもたらせます。

沼田青年会議所という畑は40年間、地域の有志たちにより毎年大切に耕されてきた結果、肥沃な大地を作り出しました。私たちは今、その大地に自らの足で立ち、新たなる決意を持って「明るい豊かな社会」を見つめて進んでまいります。

基本方針:

1.   透明性と公平性を担保する組織運営体制の確立と一般社団法人格の取得

2.   沼田JC文化アカデミーの公開講座の実施と認知度の向上及び定着

3.   自立したJAYCEEの育成と、沼田JCとしての「強いチーム」の確立

4.   親だけでなく地域が子供を育む社会を目指した青少年育成事業の実施

5.   地域の資源・財産を生かした協働まちづくり事業の実施

6.   創始の思いと歴史を振り返り今後の運動に繋げる創立40周年に関わる各種事業の実施